土地家屋調査士の報酬は、その不動産を取り巻く状況によって大きく異なり、同じ登記を行うにしても調査・測量の難易度や、要する作業時間等によって総額の報酬は大きく異なります。
下記の【報酬額一覧】に記載している一般的な登記に要する価格帯と、実際に御見積書を作成し報酬根拠をお示しする段階での金額に差異が生じてしまう場合もあり、これは土地測量業務など実際に測ったデータや各官公署などから取得した資料、その他の境界に関する資料を基に検証を行い、また官有地境界確定協議、登記申請書作成など、案件によってそれら作業・手続きが複雑になるためです。
そのため、個々の作業単価は提示できても総額は物件を調査しない限り、正確に御見積できるものではありません。
特に、次にご紹介する【登記費用(報酬額)に差異が生じるケース】に該当する場合は一般的な登記費用(報酬金額)と比較して差異が生じる恐れがある為、個別にご相談下さります様お願い申し上げます。
このページの目次
登記費用(報酬額)に差異が生じるケース
- 相続が完了しておらず相続人全員の協力を得るのに時間を要する、又は困難な場合
- 測量を行うのが難しい(建物が密集した土地や山林等で伐採作業等を要する)土地
- 境界標の設置数や立会いを求める人数が多い場合
- 隣接地が分譲マンションの敷地または共有地の場合
- 不動産の共有者の中に行方不明者がいる場合
- 相続が現在発生している場合(相続登記が未了の場合)
- 過去に境界立会いで不調(合意に至らない事)だった土地
- 現在、係争中又は裁判が進行中の不動産(土地・建物)
- 通行、使用承諾、越境合意等、境界以外の事で作業をしなければ意味が無い確定測量
- 具体的に測量作業規定、仕様書、成果品の納期などが指定されている場合
- 土地区画整理の事業地内にある不動産の場合
- 資料等が全く無い不動産の場合
詳細はお気軽にお問合せ下さい。
報酬額一覧
登記に要する報酬
建物新築の登記 → 建物表題登記
建物を新築した場合の登記(古い建物で登記されていない建物の登記を含む)
建物の大きさや形によって異なりますが、一般的な木造瓦葺2階建(床面積100平米前後)のもので70,000円~90,000円です。
ただし、建物の形が複雑な場合や、登記するために必要な書類の手配が困難な場合は割高となる場合があります。
建物増築の登記 → 建物表題変更登記
建物を増改築した場合の登記
上記の建物表題登記と同様、建物の増改築部分の面積や形状によって異なりますが、一般的な木造瓦葺2階建(床面積100平米前後)のもので70,000円~90,000円です。
ただし、建物の形が複雑な場合や、登記するために必要な書類の手配が困難な場合は割高となる場合があります。
建物取り壊しの登記 → 建物滅失登記
建物を取り壊した場合の登記
50,000円~となりますが、附属建物が併せて登記されている場合や、何年も前に取り壊したのにもかかわらず、建物滅失登記を行っていなかった場合で、建物を取り壊したことの確認が困難な場合は割高となる場合があります。
土地の利用状況が変わった際の登記 → 土地地目変更登記
45,000円~となりますが、農地(田・畑)から他の地目への地目の変更には別途「農地転用許可」が必要となり、行政書士報酬が併せて必要となります。
複数筆の土地を一つにまとめる登記 → 土地合筆登記
45,000円~となります。
登記識別情報や権利証などを紛失している場合などは別途費用が発生致します。
1つの土地を2つ以上の土地に分割する登記 → 土地分筆登記
- 200,000円~過去に分筆登記がされた土地を再度分筆する場合で、現地に境界標(杭)が残っており、地積測量図と現地が合致している場合。
- 250,000円~隣接地が民有地3名+官有地(道路等)の場合で、それぞれ境界立会いの上、筆界確認書の作成が必要な土地の場合。
- 350,000円~隣接地が民有地3名以上+官有地(道路等)の場合で、境界立会いの上、民有地については筆界確認書の作成を、官有地については境界確定申請等が必要な土地の場合。
登記簿の面積を、実測した成果に訂正する登記 → 土地地積更正登記
200,000円~土地分筆登記の内容に準じます。
登記以外の作業に要する報酬
境界や構造物を測量して現況測量図を作成 → 土地現況測量
100,000円~100坪程度の土地で極端な高低差等が無い、比較的容易に測量作業が可能な場合。
標識杭等の設置・埋設 → 境界標復元・埋設
10,000円+(立会人数×立会料金)+(境界点数×境界標の価格)
永久標識杭(コンクリート杭等)を埋設します。
境界の状況や、お客様のご希望により、プラスチック杭・金属プレート・金属鋲・みだし等を設置します。
境界標の価格 | プラスチック杭 | 10,000円~ |
金属プレート・金属鋲 | 5,000円~ |
隣接土地所有者の立会いに基づき、民民境界、官民境界を確定する → 土地境界確定測量
200,000円~土地分筆登記の内容に準じます。
注1)上記の報酬額とは別に法務局の登記簿閲覧手数料や登録免許税の費用が発生致します。
注2)土地分筆登記・土地地積更正登記・土地境界確定測量については、作業の難易度により上記報酬額に大幅な増減がともなうことがあります。
注3)岩手県内においても重点エリア外(詳細は業務エリアを参照)の場合は別途交通費をいただく事があります。
注4)上記報酬額は、法務局備え付けの地図・公図(旧土地台帳附属地図)と現地が合致していることを前提としております。地図と現地が合致していない場合は、これらの登記の前提として地図訂正申出の手続きが必要となる場合があり、別途費用がかかることもあります。